VIETNAM PROJECT REPORT 2010

Report in Englishhttp://www.npo-lesa.org/report2010/English_report.html
 
NPO語学教育支援協会 国際貢献活動レポート  (ベトナム第3回目)
Nov. 26---29, 2010

今年もハノイ北東220km、世界遺産で有名なハロン湾をこえ中国国境に近いクァンニン県にあるヴァンドン島とクァンラン島を訪問しました。日本からは伊東、桜井の2名にハノイからはNhat(ニャット)、Lam(ラム)の2名が合流し計4名で現地へ向かいました。Nhat氏はNGOのHIV/AIDS人権プロジェクトリーダー経験者で現在はベトナム全体の台風災害支援や様々なボランティア支援団体で活躍中です。また、Lam氏は新聞記者経験のあるルポライター&カメラマンです。過去3回ともこの2名の支援で貢献活動ができており、彼らはNPO-LESA所属の外国人英語講師の紹介による伊東の友人でもあります。


今回の訪問目的は昨年に引き続き、HIV陽性で生まれて来てしまった子供達への奨学金支給と、現地からの要望による子供達のための図書館を開館することでした。

ハノイでチャーターした16人乗りのバンにはハノイで事前に準備された1000冊以上の子供向けの本が積まれ、片道5時間30分のドライブです。道中は(ベトナムの交通事情によるのですが) まるで映画の中のカーチェーシングを体験しなければなりません。これが外国人にとってはかなりきついものとなります。


8時前にハノイのホテルを出発し、ヴァンドン島には午後1時過ぎに着きました。

現地では「不滅の花」(Immortal Flower) グループの主要メンバー8名がウェルカムランチで出迎えてくれました。この「不滅の花」グループは68名のメンバーが全員HIV陽性で既に夫や妻や子供などをエイズで失ってしまった方達です。お互いに手を取り合い、慰め合いながらエイズ撲滅運動に積極的に参加活動しています。遅い昼食後、コミュニティーセンターのような町の会館へ行きますと既に子供達が待ちわびておりました。早速、全員で準備が始まり「NPO-LESAからの奨学金支援」という垂れ幕までがホーチミンおじさんの銅像の上に掲げられました。事前にリストされた51名の児童の名前確認をニャットさんが楽しそうに子供たちを笑わせながら進めていきました。児童からの歓迎の歌や挨拶のあと、奨学金(日本円で3,600円/児童、現地では36,000円相当)を日本からのおみやげのロッテガーナチョコレート1枚づつと一緒に伊東自らが手渡す作業が始まりました。その後、ベトナムの児童は誰でも知っているという「地球はみんなのもの」(The Earth is ours.)いう歌を伊東のリコーダー伴奏で全員で合唱しました。(伊東はこの合唱のために日本で事前にかなり練習して来ました)

その後すぐに活動オフィスに戻り、図書館作りが始まりました。メンバー全員でたくさんの箱に入った本を手分けしてクルマから運び込みました。図書をいれる鍵付きの素敵な書庫は事前に現地リーダーのHanh(ハン)さんに購入していただいておりました。分野と科目別に書棚を整え、この辺はNhatさんの出番でした。書庫には勝手に製作された「NPO-LESAからの支援図書館」というプレートまで つけられてしまいました。ここでNOP-LESAから「不滅の花」グループへの活動支援金(日本円で3万円、現地では30万円相当)も贈呈しました。これは彼らのオフィスの半年分の家賃になるとのことでした。お返しにはハロン湾の刺繍絵が入った額をプレゼントされました。

図書館完成記念写真のあとはベトナム式歓迎ディナーでお互いに交流を深めて初日を終わりました。(図書と書棚の図書館開館費用は日本円で15万円、現地では150万円相当でした)


2日目は船着場へ7:30の集合です。

今日はメンバーのHanhさんとCuc(クック)さんの出身地であるQuan Lan(クァンラン)島への貢献活動です。彼女たちと私たちの6名で訪問しました。ヴァンドン島からは高速スピードボートで45分のハロン湾を横切ったかなり離れた島でした。この島でも若者たちが注射針のまわし打ちによるAIDS感染でかなりなくなっていました。人口は3000人ですが島は大きなものでした。そしてヴァンドン島よりはさらに貧困でした。この島の「不滅の花」メンバーの1人が事前にリストした48名の子供達が個人宅の前庭ような小さな広場に集まっていました。父兄たちも遠巻きに何が始まるのかを見学していました。名前確認をニャットさんが進め、歓迎の独唱のあと、同じように奨学金とチョコレートをセットで伊東から個別に手渡しました。そしてまた例の子供たちみんなが知っている歌をリコーダー伴奏で全員合唱しました。父兄たちにはハンさんからもとにかく奨学金ですよと念をおされました。今回の奨学金の額は昨年より少し下げましたがこれはある額を超えると親たちが別の目的のために使ってしまうとわかったからです。そしてその分、エイズ陽性ではなくてもかなり貧困である児童への公平も図るといいことで支給対象人数を増やしました。よって、合計99名に奨学金支給ができました。この受給者リストはNPOオフィスにあり、来年も利用予定です。その後はこの島の海岸を案内されましたが季節外れなのか誰もいませんでした。

メンバーの親戚宅で歓迎のランチをご馳走になり、またスピードボートでヴァンドン島に戻りました。

そしてまた例のカーチェイスの5時間30分でハノイへ戻りました。


NPOの理念である末端現場で Hand-to-Hand で ”ひとりひとりに確実に手渡す” という貢献活動が達成できました事をここにご報告致します。今年度の奨学金募金の際には大変なご理解とご支援を頂きましたたくさんの皆様方へはここで再度、心から御礼を申し上げます。来年度への継続的なご支援もどうぞよろしくお願い致します。

(Dec. 4, 2010 記、伊東眞一)

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